石塔レスキュー

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仏像修復と同じく、大事にしなければならない文化財があります。
それは、石碑や墓などの“石塔”です。

お檀家さんの思い:
先日、お檀家さんが墓石を改築したいというので、
墓地まで芯抜きにいきました。
話の中で「古いお地蔵さま二つを処分する」ということでしたので、
私はその二つを引き取らせていただき、
お寺の墓地の片隅に安置させていただきました。

永代供養の増加も予想されます。
ますます「古い墓石は不要」とされる時代が来るかもしれません。
「古いモノをどうするか?」
その判断基準を、
お檀家さんそれぞれにお任せしてきた歴史はございますが、
果たして、寺の住職がとる態度として、
それ(お任せ)で良いものでしょうか?

石塔の現状:
芯が抜かれて必要とされなくなった墓石は、
業者の方によって粉々に打ち砕かれます。

石塔の価値:
墓石には、その石の建立にお金を出した家主の名前と年月日、
供養する先祖の戒名などが刻まれております。
それに、年代ごとの流行のデザイン、
その当時流行した石、
などががわかります。
また、地元の職人の作品でもあり、
火災に遭っても、月日が経っても失われることはなく、

その土地の文化を今に遺す貴重な文化遺産ともいえます。
山形県の立石寺の石塔群は、
まさにその象徴ともいえる存在だそうです。
立石寺は何度も火災に有っており、
古文書がほとんど残っていませんが、
石塔から、当時の立石寺の様子を読み取ることも、
ある程度可能なわけです。

アドバイス:
修復してもらうのはプロの墓石屋さんにお願いします。
寺としては、壊れて修復が急がれる墓石の
持ち主であるお檀家さんに声掛けをし、
「このくらいの経費で直せますよ」
と修復をすすめる取り組みが必要です。

また、石塔の価値を知っていただくことが何より必要です。
そのためにも、
山形大学の三上英司先生と荒木志伸先生、
そして高畠石などを研究されている
芸工大の先生にも講座をお願いしたいと考えております。

寺の現状:
寺の住職は、もっと墓石について学ぶ必要があると思います。
お檀家さんが「自分の家の墓石をどうすれば良いか?」
判断する際に頼られるのが寺の住職です。
「墓石の将来を左右するのは住職」
といっても過言ではありません。
だからこそ住職は、
墓石に関して誰よりも知っておく必要があると思うのです。

例えば“太神宮”と彫られた石塔。
これは、江戸時代に地元の住民がお金を出し合って、
選ばれた人が伊勢神宮へお参りに行った記念に建てたものです。
当時の文化的な営みを知ることができる貴重な存在です。

例えば“石の産地”。
山形には、蔵王石、山寺石、高畠石、富澤石のほかに、
それぞれの地域に地元固有の石があります。
寒河江市幸生の石英粗面岩、
私の地元・河北町の沢畑石、両所石。
お隣の宮城には、秋保石、雄勝石、井内石(稲井石)。

他にも知らない石が地域ごとにたくさんある筈です。
なぜなら、墓を見ていると、
それはそれは様々な石が使われているからです。

この石塔レスキューの話は、
未だうちの住職にしたことがありません。
理由は、住職に何と言われようと、
私は“墓石をとことん守ること”を選ぶつもりだからです^^

まとめ:
「石塔レスキュー」は、
「仏像サポーター」と同時期に考えておりました。
もし、取り組みが本格化できたら、
多くの方に石塔について興味を持ってもらえると思います。
なるべく早く実現したい。なぜなら、
墓石をどうするか判断するのは、
寺ではなく、お檀家さんだからです。

そして、皆さんにお願いがあります。
石塔の文化的価値に目をつぶらないでください。
ご一緒に”石塔の魅力”を学んでいきましょう^^

ここまで読んでいただきまして、
本当にありがとうございます^^;

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